コウチャンのブログ

気晴らしにいろいろと

時代の流れと昔の育児の知恵を賢く吸収する

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自分が育児にかかわる瞬間は、つねに自分が親から育てられた時の状況が頭をよぎるものです。

二人目の子どもにもなれば、相応に経験と知恵が蓄えられてきていくらか余裕もうまれますが、最初の子どもを育てる場合、比較したり参考にしたりできるものがいつでもあるわけでないので、親たちの世代の育児観が、無意識のうちに参照されるものです。

子育てというのは、そのようにして世代を超えて受け継がれていく要素があるんだと思います。

しかし、自分たちが生きている今の社会情勢と、昔の親たちの状況との違いを感じることもあります。その違いは大きく分けて、子どもの健康や身体的な育成にかかわる要素と、子どもの社会性を育む要素とに分かれるかと思います。

子どもの健康や身体的な育成にかかわる場面は、たとえば食事を残さず食べさせることへの抵抗感に違いがあります。

ものが無かった戦前戦中は、食べられないからといって食事を残すことは罪悪に近いものでした。もっとも子どもの側も、つねに空腹が常套化していましたから、食事を残すことじたいが少なかったものです。

しかし現代の飽食時代、間食と運動不足が常套化し、食事の時間の空腹感が昔とは随分違います。そこに、無理に残さず食べさせようとしてもうまくいきませんし、無理に食べさせることじたい、説得力の乏しい時代になっています。

いっぽう、子どもの社会性を育む場面での育児観は、現代はより多様な広がりをもったことで、大きな違いが随所でみられます。

たとえば、子どもどうしのケンカへの対応です。昔は子どもがたくさんいて、親たちは忙しく、ほとんど子どもの世界にかまっていられなかったものです。そのため子どもたちはたくましく独自の世界をつくり、その中で人間関係を学んで育っていきました。

しかし今は、近所の子らが外で走り回って遊ぶ光景はなく、子どもたちが独自の社会を自然に構築する環境が存在しないのです。そのため子どもたちはケンカを経験することが極端に少なく、親が経過観察しながらときに適切な助言をしてやらなければならないのです。

親の世代の育児観との違いは確かにあります。しかしその違いは反目し合うような性質のものではないでしょう。なぜなら、歴史的な経緯と社会情勢の大きな違いにすべてが起因しているからで、私たち個人の責任に帰するものではないからです。

現代の社会を冷静に見極めた上で、親たちの育児の知恵にはなお、深く感心することが非常に多いものです。歴史を大きな目で賢くみつめながら、たくましく次代を生きる子らを育てたいものです。